パソコン革命の旗手たち

マイコンからパソコン、そして、OSが普及するまでの話の流れが
書いてある本である。以前、日本経済新聞に連載されていて、
切り抜いて読んでいたものの全部を読んでいたわけではなかった。
どういう流れで、マイコンからパソコンブームが生まれ、そして、
OS、インターネットの時代へと変化していったのかを知るために、
この本を読んだ。


マイコンが生まれ、そしてさまざまなソフトウェアが生まれていく。
Basicとなるソフトウェア、マイコン関係の出版をするASCII、
ソフトウェアの流通をしようとするソフトバンク、新しいBasicを
開発するマイクロソフト、日本語ワープロを作ろうとしていく東芝
日本語を扱えるジャストシステムインテルのチップ、パソコンの
NECIBMの参入、アップルの日本上陸、東芝の小さなPC、
そして、パナソニックのパソコン、ソニーのパソコン参入、などなど、
パソコンの黎明期から、WinTelと呼ばれる、WindowsIntel
時代まで、日本各地で起こった流れ・動きについて、書いている
本である。


これを読むと、今日の情報産業は日本が多かれ少なかれ相当の
影響を与えていたのだと実感する。そして、日本のメーカーが
どんどん良いものを作っていくなど、変化の激しいパソコン産業の
成長だったのだな、というのを感じる。


今から読むと、大体の結果を現在から知ることができるわけだ。
どういう流れから現在の状態が生まれてきたかを読み解くことが
できるわけだ。


そう考えると、たとえその時代に巨人、巨頭がいて、太刀打ちできない
ようであっても、技術革新、新商品、新サービスによって、次々と
主役が変わっていく、というのが見て取れる。大事なのは、熱意を
持って作っていくこと、うまく多くの人と組むあるいは巻き込んでいく
こと、時代の流れを見極めること、なような気がする。もちろん、
良いものが作れないといけないが、タイミングも売り方も重要である。
うまいタイミングで、良いものをうまく出せば、大逆転も可能である
ことを教えてくれている気がする。




パソコン革命の旗手たち

パソコン革命の旗手たち
関口 和一 (著)
日本経済新聞社